曽子(読み)ソウシ

デジタル大辞泉 「曽子」の意味・読み・例文・類語

そう‐し【曽子】

曽参そうしん

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「曽子」の意味・わかりやすい解説

曽子
そうし
(前506―前437)

孔子晩年の弟子。姓は曽(そう)、名は参(しん)。字(あざな)は子輿(しよ)。魯(ろ)の南武城(山東省)の人。孝道に通じた。『史記』以来の旧説では『孝経』の著者といい、また『大戴礼(だたいれい)』に曽子十篇(ぺん)があるが、いずれも曽参自著ではなく、その所説を伝えるもの。魯鈍(ろどん)な性質であったらしいが、その内省学風により尊崇を受けるに至り、孔子の死後、魯の儒教教団の後継者的立場にあったと推定される。孔門後継のうち、礼を重んずる子夏などの客観派に対し、仁・心の内省に重点を置く主観派といわれる。父の曽點(そうてん)(字は子晢(しせき))も孔子の弟子。また、子に曽元・曽申がある。曽申は子夏より『詩』を受け、左丘明より『春秋左伝』を受けたと伝えられる。後代、宋(そう)の朱熹(しゅき)(朱子)は、孔子・曽子・子思・孟子(もうし)と道が伝えられたという道統観念から、「四書」をこの四子の思想とし、『大学』を曽子の著と考えた。

[宇野茂彦 2015年12月14日]

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