有と有る(読み)ありとある

精選版 日本国語大辞典 「有と有る」の意味・読み・例文・類語

あり【有】 と 有(あ)

(「有り」を重ねて強調した表現。連体詞的に用いる) そこに存在するすべての。ありとあらゆる。
(イ) 場所を示す連用修飾語を受ける場合。
※竹取(9C末‐10C初)「我家にありと有人あつめて」
平家(13C前)一二「家の中にありとあるもの、声を調(そろ)へて泣かなしむ」
(ロ) 連用修飾語をとらない場合。
土左(935頃)承平四年一二月二四日「ありとあるかみしも、わらはまでゑひしれて」
[補注]「源氏‐若菜下」、「世にありとあり、ここに伝はりたる譜といふものの限りを」のように、下の「ある」が連用形になっている例もある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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