有機硫黄化合物(読み)ゆうきいおうかごうぶつ(英語表記)organic sulfur compound

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「有機硫黄化合物」の意味・わかりやすい解説

有機硫黄化合物
ゆうきいおうかごうぶつ
organic sulfur compound

分子中に硫黄原子を含む有機化合物の総称。普通は硫黄原子が炭素原子と直接結合したものをいう。硫黄は2価,4価,6価の原子価を有し,それぞれ対応する化合物がある。二価硫黄の含まれる有機化合物は,酸素化合物の酸素原子を硫黄原子で置換した類縁化合物で,酸素化合物の名称にチオ (硫黄の意味) をつけて呼ぶことがある。強い臭気を有するものが多い。天然にも多くの有機硫黄化合物が知られており,ビタミン B1 はその例である。蛋白質中のシスチン,メチオニンなどのアミノ酸にも硫黄が含まれている。有機硫黄化合物の例としては,チオール,スルフィド,ジスルフィド,スルホニウム,スルホキシドスルホンスルフィン酸スルホン酸があり,このほかに硫黄を含む複素環式化合物がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android