有雑郷
うさいごう
「和名抄」高山寺本・名博本にみえる郷名。東急本は「有辨」につくる。訓を欠くが、佐渡国雑太郡、志摩国答志郡伊雑郷の「雑」が「佐波」で、紀朝臣雑物を「佐比物」と訓むことなどから「宇佐比」とする説(日本地理志料)に従う。養老六年(七二二)の平城京跡出土木簡(「平城宮木簡概報」二三―一九頁)に「有参郷桜田里」、天平七年(七三五)一〇月の同木簡(同書二二―二四頁)に「有雑郷多我里」とあり、奈良時代には「有雑」「有参」と記されていた。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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