木負村(読み)きしようむら

日本歴史地名大系 「木負村」の解説

木負村
きしようむら

[現在地名]沼津市西浦木負にしうらきしよう

重須おもす村の西にあり、南西河内こうち村、西は久連くづら村。北は海(内浦湾)に面し、東に長井ながい崎、西にあか崎が海に突き出て小湾を形づくり、河内こうち(西浦河内川)が注いでいる。古代の田方たがた吉妾きしよう郷の遺称地で、木正とも記した。応永三年(一三九六)七月二三日室町幕府は「三津庄内重須郷半分・河(内)・木負」などの地を上杉憲定に安堵している(「管領斯波義将奉書」上杉家文書)。永正一五年(一五一八)一〇月八日、北条家は「木負御百姓中」に諸役賦課の手続きを通達した(「北条家朱印状」大川文書)。この朱印状は北条氏綱が家督相続後に初めて発給したものと思われ、新たに「虎之御印判」の使用条規を定めているが、現在確認されているもののうちでは虎の印を用いた最も早い史料でもある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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