… 検挙を逃れた市川正一らの幹部は,弾圧への抗議行動を訴えつつ党の再建をはかるとともに労農党などの再建につとめたが,コミンテルンの方針転換もあってその指導は混乱し,再建が軌道にのらないうちに翌29年4月の四・一六検挙で壊滅的打撃をうけた。三・一五事件の裁判は,四・一六事件の被告と統一して行われ(一部は分離公判),被告らは,裁判を共産党の宣伝扇動の場として利用する闘争を展開したが,32年10月の判決では,三・一五事件の被告徳田球一,志賀義雄,杉浦啓一,河田賢治らは,治安維持法改悪前の最高刑10年の懲役を科された。【岡本 宏】。…
※「杉浦啓一」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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