東インド党(読み)ひがしインドとう

改訂新版 世界大百科事典 「東インド党」の意味・わかりやすい解説

東インド党 (ひがしインドとう)

1912年9月6日に結成されたオランダ領東インド(現,インドネシア)の政治団体。欧亜混血のジャーナリストE.F.E.ダウエス・デッケル,ジャワ人の医師チプト・マングンクスモ,ジャワ貴族の出身でのちのタマン・シスワ学校創立者スワルディ・スルヤニングラットという3人の卓越した民族主義運動指導者が発起人となり,〈オランダ領東インドのすべての住民〉を対象としていたが,実際には欧亜混血人がメンバーの大半を占めていた。政治団体であることを明言していたので,オランダ東インド政庁はその党則を認可せず,翌13年3月にこれを非合法団体とみなし,同年スワルディが当局を批判するパンフレットに発表した風刺論文〈もし私がオランダ人であったなら〉を理由に,3人の指導者をジャワ島外に追放した。以後東インド党はインスリンデと改称したが,急速に衰えて1919年に消滅した。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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