松代大本営(読み)まつしろだいほんえい

百科事典マイペディア 「松代大本営」の意味・わかりやすい解説

松代大本営【まつしろだいほんえい】

長野県長野市松代町にある,第2次世界大戦末期に極秘裏に築造された地下壕や付属施設の総称。1944年1月,本土決戦に備え天皇行在所をはじめ国家の中枢機能を移転すべく急造された。地下40m,総延長13kmに及ぶ地下構造物完成を目指し,多くの人員犠牲を払いながら建設が進められたが,約10km掘り進めたところで完成を待たずに終戦を迎えた。大きく象山・舞鶴山・皆神山の3ヵ所に分かれ,このうち象山地下壕は全長約6kmの碁盤目状をなし,政府や電信・通信の使用が想定されていたもので,見学が可能。舞鶴山地下壕は大本営参謀本部となる予定だった構造物で総延長は約2.6km,爆弾投下に耐えうる堅牢な構造のため,のちに気象庁の松代地震観測所として転用,今も現役で使用されていて一部が公開されている。一方,皆神山地下壕は食糧貯蔵を目的に建設され,象山・舞鶴山に比べると規模は小さいが,坑道の劣化が激しく崩落の危険もあるため入口は封じられている。

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