皆神山(読み)みなかみやま

日本歴史地名大系 「皆神山」の解説

皆神山
みなかみやま

[現在地名]長野市松代町東条

松代城下町の東南に円錐状をなす山。形状から古来より信仰の対象となった。標高六七九メートル。山頂は東峰ひがしのみね中峰なかのみね西峰にしのみねの三頂からなる。頂上の旧火口池にサンショウウオが棲む。北麓の登山口の松井まついと称する湧水は、北方に広がる条里的遺構のみえる田地を潤す。

山頂に熊野出速雄くまのいずはやお神社があり、住民は皆神みなかみ社とよぶ。社殿は旧埴科はにしな郡中最古の建造物といわれる。祭神は出速雄命。

神社所蔵の大日如来像、阿弥陀如来像、弥勒菩薩像は、この社の社宮寺であった大日寺弥勒院のもので、大日如来台座天板墨書銘に、

<資料は省略されています>

とあり、阿弥陀如来、弥勒菩薩像銘にもほぼ同様の墨書がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「皆神山」の意味・わかりやすい解説

皆神山
みなかみやま

長野市南東部、松代(まつしろ)地区にある山。標高659メートル。千曲(ちくま)川の沖積平地からの比高約250メートルで、孤立してそびえている。截頭円錐(さいとうえんすい)火山で、山頂部の直径約500メートル、底面の直径1200メートル。頂上には子育ての皆神神社があり参拝者が多い。1965年(昭和40)8月に始まる松代群発地震は最初は震源地がこの付近に多く、皆神山の噴火が心配された。地震中に山の近くをボーリングした結果、松代一帯に形成されていた古い湖に溶岩が噴出してできた山であることがわかった。地震後のボーリングで1320メートルの地下から温泉が出るようになった。第二次世界大戦末期に大本営、政府機関をこの山の地下壕(ちかごう)に移すことが予定され、実際に多くのトンネルが掘られた。

[小林寛義]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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