松浜軒(読み)しようひんけん

日本歴史地名大系 「松浜軒」の解説

松浜軒
しようひんけん

[現在地名]八代市北の丸町

八代城跡の北ノ丸内にあり、旧八代城代松井家の邸宅である。三代目松井直之が延宝年中(一六七三―八一)この地に黄檗宗慈福じふく寺を建てたが、その後廃寺となっていた。元禄元年(一六八八)直之の生母崇芳院尼のために御茶屋を建てた。当初は八代海を見渡す浜辺であったため松浜軒とよばれ、ここの庭園は古流(三斎流)の茶庭でもあったので、一般に浜の茶屋とよばれた。明治四年(一八七一)松井盈之は八代城から一時現在の松井まつい神社の地へ移り、その後一部を改造して松浜軒に移った。正門は大名長屋門のうちの略式門(冠木門)、門の左右に番所と馬屋があり、玄関は唐破風、浜床のつくりである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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