板倉沼(読み)いたくらぬま

日本歴史地名大系 「板倉沼」の解説

板倉沼
いたくらぬま

町中央部にあった沼で、東西三・三キロ、南北一〇キロほどで、面積約二一一ヘクタールであった。利根川渡良瀬川が決壊したとき水がたまってできたものと思われる。享保五年(一七二〇)板倉村明細帳(荻野文書)では東西一二町、南北八町の大きさである。近世の新田開発や、昭和三年(一九二八)からの干拓、同一五―一六年頃の埋立工事によって、面積約四〇ヘクタールになった。同五四年工業団地として造成され、姿を消した。「万葉集」に「上野伊奈良の沼の大藺草よそに見しよは今こそまされ」とある伊奈良いなら沼を板倉沼とする説がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の板倉沼の言及

【板倉[町]】より

…埼玉県,栃木県と接する。北縁を渡良瀬川,南縁を利根川が流れ,かつては板倉沼など大小の池沼が散在した低湿地帯で,水害常襲地であった。明治時代中~後期には足尾鉱山の鉱毒で大きな被害を受けた。…

※「板倉沼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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