板櫃鎮(読み)いたびつのちん

日本歴史地名大系 「板櫃鎮」の解説

板櫃鎮
いたびつのちん

筑前国企救きく郡に設けられた奈良時代の鎮営名。板櫃鎮所とも。天平一二年(七四〇)藤原広嗣の乱の際、追討軍によって陥落した京都みやこ(未詳)登美とみ(現新吉富村大ノ瀬官衙遺跡・堂ノ前遺跡)・板櫃の三鎮を奪還するため、広嗣は大宰府から兵を三手に分かち、三鎮に進んだ(「続日本紀」同年九月二四日条)。しかしすでに三鎮は政府軍に掌握されていたため、最終集結地の遠珂おか軍営で態勢を整え、板櫃川東岸の板櫃鎮に陣を構えた追討軍と対峙するが、広嗣軍は大して戦わずして敗走し、広嗣は西へ逃れたのち、逮捕・処刑された(同書同年一一月三日条など)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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