精選版 日本国語大辞典 「果たして」の意味・読み・例文・類語
はたし‐て【果て】
- 〘 副詞 〙 ( 動詞「はたす(果)」の連用形に接続助詞「て」が付いてできた語 )
- ① 肯定表現に用いて、結果が予期した通りであることを強調する。
- (イ) 思っていたごとく。案の定。
- [初出の実例]「其の国に生れむと願す。果(ハタシテ)宿心を遂げて王子と為ること得つ」(出典:大唐西域記巻十二平安中期点(950頃))
- (ロ) ついに。とうとう。
- [初出の実例]「果然(ハタシテ)(〈別訓〉つひに)胡の寇燕より起る」(出典:白氏文集天永四年点(1113)三)
- (イ) 思っていたごとく。案の定。
- ② 仮定表現に用いて、事態をあやぶみながらも想定する気持を表わす。まことに。本当に。
- [初出の実例]「しかしネー、若し果して課長が我輩を信用してゐるなら」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一)
- ③ 疑問表現に用いて、事態がはっきりしないことを強調する。いったい。
- [初出の実例]「飽まで食ひ暖に衣て学問の志もなく徒に遊戯にのみ耽るもの多きは果して何の心ぞや」(出典:小学読本(1874)〈榊原・那珂・稲垣〉五)