朝日日本歴史人物事典 「染谷知信」の解説
染谷知信
江戸後期(文化文政期ごろ)の金工家。金工家染谷昌信の子で通称は吉五郎。父は伊勢国(三重県)津の出身で,のちに江戸に出たという。知信は,絵を谷文晁に学んだことから巧みな下絵を得意とした。「楼閣山水図鐔」(個人蔵),「狗児図鐔」(東京国立博物館蔵)などにみられるように文人画風を取り入れて独自の彫法をつくりあげ,染谷派を代表する優工である。その子常吉は早世したが,門下に一信,正信などがいる。<参考文献>加島進編『刀装具』(至文堂『日本の美術』64号)
(加島勝)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報