日本歴史地名大系 「根室市史」の解説
根室市史
ねむろしし
三冊 渡辺茂編著 根室市 昭和四三年刊
解説 根室市開発一〇〇年の記念事業として刊行。根室の特色はロシアとの外交関係、千島経営および千島海域漁業の根拠地としての重要性にあった。上巻冒頭に「根室地名解」を置き、以下、第一編幕府時代を近世通史として、根室場所の開設、寛政の蝦夷蜂起、幕府直轄などを扱い、第二編行政と教育では、第一章明治初期の根室から第四章大正・昭和の根室までの行政史と、第五章根室の教育を記述。下巻は、第三編産業と経済の第一章水産(全体の五四パーセント、三八四頁)以下、二農産、三畜産と林産、四工産、五商業の各章、および第四編社会と文化という構成。史料編は松本十郎「根室藻汐草」ほかの文献抄録、松浦武四郎「知床日誌」ほか日誌抄など計二一編、および根室市史年表を加える。以上三冊のあと昭和六三年市制施行三〇周年等を記念して、本書の体裁を踏襲した根室市史編さん室編「根室市史年表」を刊行。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報