寛政(読み)かんせい

精選版 日本国語大辞典 「寛政」の意味・読み・例文・類語

かん‐せい クヮン‥【寛政】

[1] 〘名〙 ゆるやかで情のある政治。寛大な政治。
※懐風藻(751)初春侍宴〈大伴旅人〉「寛政情既遠、迪古道惟新」
※家伝(760頃)下「公秉其大綱、屡施寛政
※西洋聞見録(1869‐71)〈村田文夫〉前「寛政以て民生を安んじ」 〔春秋左伝‐荘公二二年〕
[2] 江戸中期、光格天皇の代の年号天明九年(一七八九)一月二五日改元。寛政一三年二月五日、享和(きょうわ)と改元。将軍徳川家斉(いえなり)の時にあたり、寛政異学の禁、寛政の改革などが行なわれた。出典は「春秋左伝」の「施之以寛 寛以済猛 猛以済寛 政是以和」による。

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デジタル大辞泉 「寛政」の意味・読み・例文・類語

かんせい〔クワンセイ〕【寛政】

江戸中期、光格天皇の時の年号。1789年1月25日~1801年2月5日。

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日本の元号がわかる事典 「寛政」の解説

かんせい【寛政】

日本の元号(年号)。江戸時代の1789年から1801年まで、光格(こうかく)天皇の代の元号。前元号は天明(てんめい)。次元号は享和(きょうわ)。1789年(天明9)1月25日改元。京都大火の凶事を断ち切るために行われた(災異改元)。『左伝(さでん)』を出典とする命名江戸幕府の将軍は徳川家斉(いえなり)(11代)。田沼意次(たぬまおきつぐ)の失脚後、1787年(天明7)から1793年(寛政5)にかけて松平定信(まつだいらさだのぶ)が老中職につき、大規模な幕政改革が行われた。この改革は「寛政の改革」といわれ、江戸時代の三大改革とひとつとされている。

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