朝日日本歴史人物事典 「椎原市太夫」の解説
椎原市太夫
江戸前期の加賀の蒔絵師。江戸の名工清水源四郎の門人。正保(1644~47)のころ,加賀(金沢)藩主前田綱紀に召されて金沢に下り桶町に住し,若干の扶持を与えられた。印籠に精緻な蒔絵を施して加賀印籠と称され珍重された。また茶人としても知られ,その作品は風雅な趣があり,特に香合は茶人の間で賞翫されたという。しかしながら,確実な作品,文献史料は未詳である。藤蔵,友之進,市之丞の3子も蒔絵を良くした。<参考文献>稲葉通竜『装剣奇賞』,飯島半十郎『蒔絵師伝』
(内田篤呉)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報