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印籠 いんろう

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

印籠
いんろう

薬を入れ,根付 (ねつけ) にくくって腰に下げる小型の容器。印章,印肉を入れたことからこの名がある。安土桃山時代以降,主として武士の間に愛用され,正式の持物として欠かせない装身具となり,形も変化した。

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デジタル大辞泉の解説

いん‐ろう【印籠】

腰に下げる長円筒形の三重ないし五重の小箱。室町時代に印・印肉を入れていた容器で、江戸時代には薬を入れるようになった。表面に漆を塗り、蒔絵(まきえ)螺鈿(らでん)堆朱(ついしゅ)などの細工を施し、緒には緒締め根付がある。

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百科事典マイペディアの解説

印籠【いんろう】

長円形の3ないし5重の小型の容器。左右の端に緒締(おじめ),根付をつけて帯にはさんで携帯した。室町時代に明から輸入され,印を入れたものと似ているためこの名があるが,江戸時代には薬入れ,アクセサリーとして流行した。
→関連項目加賀蒔絵梶川彦兵衛原羊遊斎矢立

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世界大百科事典 第2版の解説

いんろう【印籠】

薬を入れ腰に下げる小さな容器。江戸時代に流行した。三段,四段,五段重ねに仕切った扁平な小型容器にしつらえ,両側にうがった穴に紐を通して連結させるのが通形である。ふたの両肩からのびた紐の先端には腰に下げるための根付を着し,その間にとりつけた緒締(おじめ)で各段の開閉を調節する。重ね容器とするのも,異種の薬品を一具の中に納めるための配慮であろう。印籠は本来印判や印肉を納める容器であり,薬籠というべきこの種の容器を印籠と呼び慣わすようになった経緯はつまびらかでない。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

印籠
いんろう

男性用装身具の一種。腰下げ用の小型容器で、その左右両端に紐(ひも)を通して緒締(おじめ)で留め、紐の先端についている根付(ねつけ)を帯に挟んで下げる。初め印判や印肉を収めて携帯するものであったところから、この名がある。しかし、室町時代ごろからは、応急用の丸薬(がんやく)入れなどに用いられるようになり、やがて江戸時代になると、中身は入れずに、単なるアクセサリーとして用いられるようになった。武家は裃(かみしも)を着用した際には、かならず腰に下げるのを習わしとしたが、のちには広く一般の人たちにも行われるようになった。印籠の容器は、普通、精巧な漆(うるし)細工でできた三つ重ね、あるいは五つ重ねの長方形の偏平なものが多いが、なかには、丸形、楕円(だえん)形、箱形、袋形、鞘(さや)形のものなどもある。材質は、木竹、金属、陶磁、牙角(がかく)などが用いられ、これに漆絵(うるしえ)、蒔絵(まきえ)、箔押(はくお)し、堆朱(ついしゅ)、鎌倉彫、螺鈿(らでん)、彫金(ちょうきん)、象眼(ぞうがん)、針金細工、七宝焼(しっぽうやき)などといった各種工芸技術が駆使されており、これに、定紋(じょうもん)、故実に関係のある人物、動植物、風景などの模様が施されている。江戸時代を代表するぜいたくな工芸品といえる。印籠蒔絵師としては、休伯、巨柳、寛哉(かんさい)といった古満(こま)家の人々をはじめ、梶川(かじかわ)文竜斎、山田常嘉(じょうか)、塩見政誠(まさなり)、飯塚桃葉、尾形光琳(こうりん)、小川破笠(はりつ)(笠翁)、堆朱楊成(ついしゅようぜい)、杣田光正(そまだみつまさ)らが知られ、異色ある印籠がつくられている。[宮本瑞夫]

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世界大百科事典内の印籠の言及

【江戸時代美術】より

…小紋,中形は染の量産化の情況に即したものだが,型紙を何十枚も使って,見えないぜいたくをこらしたものもなかにはある。都市の武士や町人が趣向を競った刀のつばや根付,印籠は泰平の世相がもたらした〈いき〉の美意識の反映であり,そこには金工,木竹牙角工,漆工,陶磁の各分野にわたる驚くべき細緻な技巧が見られる。それは,同時代の清の工芸の瑣末な技巧主義に影響されたものだが,そこに和漢のモティーフ,意匠が自在に組み合わされ,軽妙な機智とユーモアがこめられていることを日本的特性として評価すべきであろう。…

【装身具】より

…律令時代には,貴族官吏が官位に相当する衣服や帯をつけ,わずかにそれらを飾る程度にとどまる。以後,櫛や笄(こうがい),簪(かんざし),あるいは刀剣の(こしらえ)や印籠,さらにはタバコ入れなど,次章で見るように本来別の機能をもつ実用具に装飾を加えて身につけた。直接身につける装身具は,明治以降の新しいヨーロッパ文明の波及まで,日本では1000年以上にわたってほぼ欠如する時代が存続したのである。…

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