楚割(読み)スワヤリ

デジタル大辞泉 「楚割」の意味・読み・例文・類語

すわやり〔すはやり〕【×割/魚条】

《「すはえわり」の音変化。すわえのように細く割ったものの意》昔、魚肉を細長く切って干した保存食。削って食べる。

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精選版 日本国語大辞典 「楚割」の意味・読み・例文・類語

すわやりすはやり【楚割・魚条】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「すわえわり」の変化した語。楚(すわえ)のように細く割ったものの意 ) 魚肉を細長くさいて干したもの。けずって食用にする。すじうお。すわり。そわり。
    1. [初出の実例]「鯛楚割(すはやり)。鮫楚割各七斤八両」(出典延喜式(927)五)

そわりそはり【楚割】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「すわやり(楚割)」の変化したもの ) 魚肉を細く裂いて乾燥したもの。けずって食する。〔易林本節用集(1597)〕

すわりすはり【楚割・魚条】

  1. 〘 名詞 〙 「すわやり(楚割)」の変化した語。

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世界大百科事典(旧版)内の楚割の言及

【干物】より

…古代日本では〈からもの(干物)〉と呼び,生鮮魚貝類の少なかった平安京では副食品としてきわめて重要であり,《延喜式》によると都の西の市には干魚の店もあった。削って食べるものが多かったため〈削物(けずりもの)〉の称もあり,干鳥(ほしどり),楚割(すわやり),蒸蚫(むしあわび),焼蛸(やきだこ),干鯛(ほしだい)などは宮廷の宴会には欠かせぬものであった。干鳥は鳥肉とくにキジを干したもの,楚割は魚肉とくにサケを細く切って干したもの,蒸蚫はアワビを蒸して干したもの,焼蛸はタコを石焼きなどにして干したものであった。…

※「楚割」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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