日本歴史地名大系 「楠葉駅」の解説 楠葉駅くすはのえき 大阪府:枚方市楠葉村楠葉駅交野(かたの)郡楠葉里に置かれた律令時代の駅。楠葉は「古事記」崇神天皇の段に「久須婆之度(くすばのわたり)」とみえるように古来交通の要衝であったが、「続日本紀」和銅四年(七一一)正月二日条に「始置都亭駅」として、山背(やましろ)国相楽(さがらか)郡に岡田(おかだ)駅(現京都府相楽郡加茂町)、綴喜(つづき)郡に山本(やまもと)駅(現田辺町)、河内国交野郡に楠葉駅、摂津国島上(しまかみ)郡に大原(おおはら)駅(現高槻市)、島下(しましも)郡に殖村(うえむら)駅(現茨木市)などを設置することがみえる。これらの駅の新設は、前年に行われた平城遷都に関連した措置で、五駅は平城京から北上して現在の枚方市楠葉(くずは)付近で淀川を渡り、山陽道に連絡する交通路に沿っており、平城京と西国を結ぶ官道として開かれたのである。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報