…補償の種類としては,(1)傷病の療養のための療養補償,(2)療養のための休業中に従前の賃金の6割が支払われる休業補償,(3)傷病が治った(症状が固定した)場合に残った障害の程度に応じて支払われる障害補償,(4)労働者の死亡当時その収入によって生活していた遺族に支払われる遺族補償および葬祭料がある。これらの労災補償は業務災害に対するものであるから,健康保険や厚生年金保険の対象となる私傷病と区別する必要が生じる。これが,業務上外の認定の問題である。…
…なお,この制度の特別法として,船員保険法(1939公布),国家公務員災害補償法(1951公布),地方公務員災害補償法(1967)などがあるが,これらの法は,いずれもその給付などについては労働者災害補償保険法に類似する。 労働者災害補償保険法は,業務上の事由による負傷,疾病,障害,死亡(業務災害)とあわせて,法定の〈通勤事故〉による負傷,疾病,障害,死亡(通勤災害)を保険給付事由とし,労基法と同様に,療養補償,休業補償,障害補償,遺族補償,葬祭料などの給付を規定しているが,このほか療養後治癒しない場合の傷病補償年金に加え,福祉事業給付をも定めている。福祉事業給付は,法定給付に加えて,現金給付やリハビリテーションなどの付加給付を行うもので,労基法にはみられないものである。…
※「業務災害」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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