横隔膜腫瘍

内科学 第10版 「横隔膜腫瘍」の解説

横隔膜腫瘍(横隔膜の疾患)

定義・概念
 横隔膜の原発性腫瘍はきわめてまれである.他臓器からの浸潤あるいは転移性腫瘍を認めることがある.
分類
1)原発性腫瘍:
頻度の高い良性腫瘍は脂肪腫(lipoma)である.線維腫,血管線維腫などの報告もある.悪性腫瘍として線維肉腫が多いとされる.
2)横隔膜浸潤または転移性腫瘍:
肺,胃,膵臓,肝臓など近接した臓器から浸潤性の腫瘍を形成することがある.転移性腫瘍は血行性であるが,まれである.
診断
 多くの横隔膜腫瘍は胸部X線写真で横隔膜不整像,突出した腫瘤像を呈する.浸潤の程度はMRI,CTの矢状断が有用であり組織性状の情報も得られる.[鰤岡直人・清水英治]
■文献
鰤岡直人:胸部写真が正常な呼吸器疾患.フレイザー,呼吸器病学エッセンス: 清水英治,藤田次郎監訳, pp 1001-1012, 西村書店,2009.
Fraser RS, Neil C et al: Disease of the diaphragm and chest wall. In: Synopsis of Diseases of the Chest (3rd ed), pp 897-911, Elsevier, Philadelphia, 2005.

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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