檜垣石塔(読み)ひがきせきとう

日本歴史地名大系 「檜垣石塔」の解説

檜垣石塔
ひがきせきとう

蓮台寺境内にあり、「一統志」に檜垣女塔・檜垣塔、「国誌」に檜垣石塔とあり、国学者である中島広足は「檜垣嫗墓石按ニ供養塔ナルベシ」とする(橿園随筆集)。三重の角塔で石材凝灰岩。天正一五年(一五八七)豊臣秀吉の島津攻めに際し随行した細川三斎(忠興)が、蓮台寺でこの石塔を一見していたが、寛永九年(一六三二)細川氏の入国後、三斎は熊本城内でこの塔を見、藩主忠利の御側衆に宛てて「ひかきの女ノ石塔肥後守居間ノ庭ニ御入候、此女ハ三代集ノ内ニも無隠義候、さ候へハ国ノ古跡にて、其はかノ石塔取入事も有ましき義ニ候(中略)当年中ニこれを取除、昔ノ所ニ遣、むかしに不替様ニ被立置可然かと存候、各分別有て、能時分ニ越中へ可被仰聞候」との書状を送り(鳥居文書)、蓮台寺に返却されたという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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