熊本市(読み)くまもと

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

熊本〔市〕
くまもと

熊本県中部,熊本平野の中部に位置し,有明海に面する市。県庁所在地。県の政治,経済,文化,交通の中心で,中央の出先機関も多い。1889年市制。1921年春日町ほか 10町村,以後 1940年までに 8町村を編入。第2次世界大戦後は 1953年田迎村,御幸村,城山村,池上村,高橋村の 5村,1954年秋津村,1955年松尾村,1957年小島町と竜田村,1958年中島村,1970年託麻村,1991年北部町,河内町,飽田町,天明町の 4町をそれぞれ編入。1996年中核市に移行。2008年富合町,2010年城南町と植木町の 2町を編入。2012年政令指定都市に移行し,北区中央区西区東区南区の 5区を置いた。古くから肥後国の中心で,奈良時代には託麻(現出水),平安時代には飽田(現二本木)に国府が置かれた。室町時代には菊池一族の千葉城があり,慶長12(1607)年には加藤清正熊本城を築き,そののち細川氏 54万石の城下町として発展。近代初頭には西南戦争で市街の大半を焼失。復興以後,第2次世界大戦末までは軍都,行政の町であった。市の基幹産業は商業で,就業人口の約 8割が第3次産業に従事している。工業は食品加工,製糸,農機具製造などの在来工業に加え,第2次世界大戦後はゴム,電機,機械工業などの大企業が進出。農業は熊本平野を控えて,米作のほか,スイカ,トマトなどの野菜や果樹,花卉の栽培が行なわれ,台地では酪農,沿岸部ではノリの養殖が行なわれる。市街地西方に金峰山の景勝地があり,熊本城跡(国指定特別史跡),水前寺成趣園(国指定名勝・史跡),熊本藩主細川家墓所(国指定史跡)などの観光地や,千金甲古墳,釜尾古墳,阿高・黒橋貝塚,御領貝塚,塚原古墳群(いずれも国指定史跡)などの史跡が多く,また,阿蘇,雲仙などの観光の基地でもある。北部に西南戦争の古戦場として有名な田原坂がある。スイゼンジノリ発生地,立田山ヤエクチナシ自生地,藤崎台のクスノキ群,下田のイチョウは国指定天然記念物。九州新幹線が通り,JR鹿児島本線と豊肥本線が分岐する。北東部を九州縦貫自動車道が走る。国道3号線,57号線,208号線,266号線,501号線が通る。一部は金峰山県立自然公園に属する。面積 390.32km2。人口 74万822(2015)。

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