歌舞所(読み)ウタマイドコロ

デジタル大辞泉 「歌舞所」の意味・読み・例文・類語

うたまい‐どころ〔うたまひ‐〕【歌舞所】

奈良時代ごろの歌舞をつかさどった役所大宝令にある雅楽寮一部か、別の役所かは不明。日本固有の歌舞を扱ったらしい。

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精選版 日本国語大辞典 「歌舞所」の意味・読み・例文・類語

うたまい‐どころうたまひ‥【歌舞所】

  1. 〘 名詞 〙 歌舞をつかさどる役所。ただし、雅楽寮(ががくりょう)に当たるか、あるいはそれに類する役所であるかは不明。
    1. [初出の実例]「冬十二月十二日、歌儛所之諸王臣子等、集葛井連広成家宴歌二首」(出典万葉集(8C後)六・一〇一一・題詞)

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世界大百科事典(旧版)内の歌舞所の言及

【大歌所】より

雅楽寮の歌師・歌人・歌女の〈歌〉には,立歌(たちうた)と大歌の別があり,大歌とは古代宮廷の祭祀や節会に用いられた歌謡をいい,舞を伴うものもあった。成立年時は不明であり,《万葉集》巻六所収の736年(天平8)の和歌の詞書に見える〈歌儛所〉がその前身と考えられるが,《文徳実録》嘉祥3年(850)11月己卯条の興世書主の伝に,書主は和琴をよくしたので,816年(弘仁7)に大歌所別当になった,とあるのが大歌所の初見である。別当は所の統轄者で,書主は補任当時,六位であったというから,六位(地下)別当で,その上に公卿(中納言以上)別当がおり,時に親王別当もあったという。…

※「歌舞所」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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