朝日日本歴史人物事典 「正木段之進」の解説
正木段之進
生年:元禄2.閏1.3(1689.2.22)
江戸中期の武術家。大垣藩士正木利品の嫡男として美濃国(岐阜県)大垣に生まれる。享保6(1721)年家督を継ぎ,藩主戸田氏定,氏長,氏英の三代に仕え,家禄250石を得た。父に剣と源流居合を学び,18歳で唯心一刀流の古藤田俊矩の門に入る。23歳で先意流薙刀を香取時雄に学ぶ。その間,槍と遠当術を工夫し変離流と称す。60歳で,長さ60cm余の鎖の両端に分銅を付けた万力鎖術を創始。これらを大成した正木一刀流剣術を教授して,剣名を高めた。同流はその合理的な術理と,稽古用具や防具の工夫にすぐれ,段之進には敵を制圧する気の効用を具現した逸話が多くある。
(名和弓雄)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報