ウィリアム3世(読み)ウィリアムさんせい(英語表記)William III

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウィリアム3世」の意味・わかりやすい解説

ウィリアム3世
ウィリアムさんせい
William III

[生]1650.11.4. ハーグ
[没]1702.3.8. ロンドン
イギリス,スチュアート朝のイングランド王 (在位 1689~1702) 。オランニェ (オレンジ) 公,オランダ総督。オランダ名ウィレム3世。オランダ総督オランニェ公ウィレム2世とイングランド王チャールズ1世の娘メアリーの間に,父の死の1週間後に生れ,幼少時代は反オランニェ派の共和派指導者 J.デ・ウィットの監視下におかれた。 1672年フランスのルイ 14世のオランダ侵入戦争に際し,国民の輿望をになって総督に就任,同盟を組織してフランス軍に抵抗,79年ナイメーヘンの和約を結んだ。 77年イギリスのヨーク公 (のちのジェームズ2世 ) の娘メアリー (のちのメアリー2世 ) と結婚し,88年6月ジェームズ2世の圧政に反対するトーリー,ホイッグ両党からの来援要請を受けると,兵を率いてイングランド南西部トーベイ近くに上陸し,無血裏にロンドンに入って名誉革命に成功。ジェームズ逃亡後の事態収拾をはかった仮議会に推されて,「権利宣言」を受諾したうえで,89年4月メアリーとともに即位した。即位後の関心は依然としてルイ 14世との対抗に向けられ,しばしば大陸に遠征し,1701年スペイン継承戦争勃発にあたって対フランス同盟を形成。翌年落馬事故の後遺症のため死去

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