正本屋九兵衛(読み)しょうほんや・くへえ

朝日日本歴史人物事典 「正本屋九兵衛」の解説

正本屋九兵衛

没年:寛保1.10.13(1741.11.20)
生年:寛文9(1669)
江戸前・中期の京都の浄瑠璃本屋。名は治重。寛永期の草紙屋九兵衛を祖とするか。明暦(1655~58)ごろからは二条寺町西入北側で営業し,江戸中期まで続いた。山本氏。九兵衛は代々の称。治重は全盛期を築き,貞享1(1684),2年ごろ大坂に出店を設け,実権を握ったまま,これを子息九右衛門重時(生年不詳~1762)に継がせた。九右衛門は新たに七行本を開板し,重・類板を繰り返す山木九兵衛などを抑え,義太夫と近松で評判の高い,竹本座浄瑠璃本の出版権を独占した。そのほか,役者評判記や絵入り狂言本,浮世草子なども刊行した。<参考文献>祐田善雄『浄瑠璃史論考』,大阪府立図書館編『近松浄瑠璃本奥書集成』

(安永美恵)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「正本屋九兵衛」の解説

正本屋九兵衛 しょうほんや-くへえ

山本九兵衛(やまもと-くへえ)

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