此世ならず(読み)このよならず

精選版 日本国語大辞典 「此世ならず」の意味・読み・例文・類語

このよ【此世】 なら ず

  1. ほとんど死ぬほどである。尋常ではない。
    1. [初出の実例]「小式部内侍、この世ならすわづらひけり。かぎりになりて、人の顔なども見しらぬ程になりて臥したりければ」(出典:古今著聞集(1254)五)
  2. この世では求めることができない。この世のものとも思われないほどすばらしい。
    1. [初出の実例]「此(いぬ)は、極(いみじ)かりける、我が為の此の不世(よなら)ぬ財にこそ有けれと思て、を具して家に返にけり」(出典今昔物語集(1120頃か)二九)
  3. この世だけでない。前世からの。また、来世までも。
    1. [初出の実例]「思はんとなつけし君がひとことはこのよならすといつか忘れん」(出典:行尊集(1084‐94))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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