前世(読み)ゼンセ

デジタル大辞泉 「前世」の意味・読み・例文・類語

ぜん‐せ【前世】

《古くは「ぜんぜ」》この世に生まれ出る以前の世。さきの世。仏教では三世の一。過去世ぜんせい。→現世来世
[類語]前生宿世

さき‐せ【前世】

ぜんせ(前世)」に同じ。
何様どういふ―の因縁だか判次郎を恋慕ひ」〈人・梅美婦禰・五〉

ぜん‐せい【前世】

ぜんせ(前世)

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「前世」の意味・読み・例文・類語

ぜん‐せ【前世・先世】

  1. [ 1 ] ( 古くは多く「ぜんぜ」 ) この世に生まれ出る以前の世。さきのよ。過去世(かこせ)
    1. [初出の実例]「誠に先世に強く能き縁を修めて感じたる力なり」(出典:日本霊異記(810‐824)上)
    2. 「いかなる前世(ゼンゼ)因果にや」(出典浮世草子西鶴織留(1694)四)
  2. [ 2 ] 〘 副詞 〙 かつて。いままで。以前は。
    1. [初出の実例]「前世、くだされた事はなけれども、お流をくださるる」(出典:天理本狂言・餠酒(室町末‐近世初))

ぜん‐せい【前世】

  1. 〘 名詞 〙
  2. むかし。いにしえ。前代
    1. [初出の実例]「本朝にて前世は専用られたる書と見えたり」(出典:随筆・秉燭譚(1729)一)
    2. [その他の文献]〔漢書‐匈奴伝・下〕
  3. ぜんせ(前世)

さき‐せ【前世・先世】

  1. 〘 名詞 〙さきしょう(前生)
    1. [初出の実例]「お梅に思ひそめられた、是もさきせの因果かや」(出典:浄瑠璃・心中万年草(1710)上)

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普及版 字通 「前世」の読み・字形・画数・意味

【前世】ぜんせい

前の世。

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