…さらに彼はアンソニー・クインで《その男ゾルバ》(1965)を撮り,キャンディス・バーゲンで《魚が出てきた日》(1967)を撮ったが,彼の作風はしだいにギリシアの現実をはなれ,ハリウッド資本に頼ったこともあって一種の観光映画にすぎないとの評も出た。一方,マッカーシイズムでアメリカを追われたダッシンJules Dassinが,ギリシアにきてメリナ・メルクーリの主演で撮った一連の映画,《宿命》(1956),《日曜はダメよ》(1960),《死んでもいい》(1962)などがギリシア映画と呼べるか否かは微妙である。コスタ・ガブラスCosta‐Gavras監督にも似たような問題があり,このフランスで育ったギリシア人の傑作《Z》(1968)は,現実にギリシアで起こった政治家暗殺事件についてのギリシアの作家バシリコスVasílis Vasilikósの小説を原作としているが,舞台は架空の国である。…
※「死んでもいい」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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