比江山城跡(読み)ひえやまじようあと

日本歴史地名大系 「比江山城跡」の解説

比江山城跡
ひえやまじようあと

[現在地名]南国市比江

比江の東北の山上にある平山城で、平坦地には城主比江山掃部助親興を祀った社がある。親興は長宗我部国親の弟国康の次男と伝えられる。天正一〇年(一五八二)長宗我部元親の阿波統一後、阿波国岩倉城を与えられたが、同一三年、豊臣秀吉四国征伐によって元親は降伏し、親興は比江山に帰った。同一四年、元親の長男信親が豊後戸次へつぎ川で戦死し、継嗣問題が起こった時、四男盛親をたてようとする元親に諫言して、同一六年一〇月切腹を命ぜられた(土佐物語)

天正一六年八月の廿枝郷衙府中国分地検帳には「ヒエ山ノ大城本台」に「一所廿代 下山畠 掃部助給」、「ヒエ山ノ古城」に「一所卅九代二分 下ヤシキ 掃部助給」とみえ、検地時には廃城となり、畠や農民の屋敷となっている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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