朝日日本歴史人物事典 「毛利梅園」の解説
毛利梅園
生年:寛政10(1798)
江戸後期の博物家。名は元寿,号は梅園,楳園,写生斎,写真斎,攅華園など。江戸築地に旗本の子として生まれ,長じて鶏声ケ窪(文京区白山)に住み,御書院番を勤めた。20歳代から博物学に関心を抱き,『梅園草木花譜』『梅園禽譜』『梅園魚譜』『梅園介譜』『梅園虫譜』などに正確で美麗なスケッチを数多く残した。他人の絵の模写が多い江戸時代博物図譜のなかで,大半が実写であるのが特色。江戸の動植物相を知る好資料でもある。当時の博物家との交流が少なかったのか,名が知られたのは明治以降。ほかに父元苗との共著『皇代系譜』がある。
(磯野直秀)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報