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水産物の買い負け現象 すいさんぶつのかいまけげんしょう

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知恵蔵2015の解説

水産物の買い負け現象

魚介類など水産物の世界規模での争奪戦が激化し、国際価格急上昇でしたため日本の輸入業者が手を出せず、欧米や中国に競り負け魚介類を買い付けできない状況のこと。魚介類の消費量は、BSE(牛海綿状脳症)の発生による食肉不安や健康志向を背景に欧米で増加した。また、経済発展を続ける中国でも、海産魚介類は高級食品として位置付けられ、消費が急速に拡大している。1人当たりの魚介類消費量は、1973年から2003年の30年間で、日本がほぼ横ばいにとどまったのに対し、米国は1.4倍、EU(15カ国)は1.3倍、中国は5倍も増加している。国連食糧農業機関(FAO)は、世界の魚介類の総生産が需要を下回って不足する量は、1999〜2001年実績平均400万トンから、15年には1100万トンに拡大し、価格は10年まで年3.0%、11〜15年は年3.2%上昇すると見込んでいる。日本の水産物自給率は04年で55%にまで落ち込んでいる。不足分を諸外国からの輸入で賄ってきた水産物需給の在り方が大きな曲がり角に来ているといえよう。

(榎彰徳 近畿大学農学部准教授 / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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