水素化脱ろう(読み)スイソカダツロウ

化学辞典 第2版 「水素化脱ろう」の解説

水素化脱ろう
スイソカダツロウ
hydrodewaxing

潤滑油や留出油に含まれる融点の高いn-アルカンや枝分れの少ないアルカンを除去して,低温で流動性のよい潤滑油や軽油を製造する脱ろうプロセスの一種.n-アルカンや枝分れの少ないアルカンを,選択的に細孔内に吸着できるZSM-5型ゼオライトや,モルデナイトなどのゼオライト貴金属を担持した触媒を用いて,水素加圧条件下でこれらを選択的に分解除去,あるいは水素異性化する方法のことをいう.1973年にアメリカのMobil Oil社(現ExxonMobil社)により,ZSM-5を用いる留出油の水素化脱ろうプロセスのMDDW(Mobil Distillate Dewaxing)プロセスが実用化された.そのほかに潤滑油を対象とするBritish Petroleum社のBP Catalytic Dewaxing process,SAPO-11を触媒に用いるChevron Products社のIDW (Chevron Iso-Dewaxing)プロセスなどがある.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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