汝達(読み)ナンダチ

デジタル大辞泉 「汝達」の意味・読み・例文・類語

なん‐だち【×達】

[代]《古くは「なむたち」》二人称人代名詞。なんじたち。おまえたち。
「―が戦ひて敵を殺すは、大の功なり」〈塵袋

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精選版 日本国語大辞典 「汝達」の意味・読み・例文・類語

なん‐だち【汝達】

  1. 〘 代名詞詞 〙 ( 古くは「なむたち」。「なむち」に「たち」が付いて変化したもの ) 対称。対等またはそれ以下の、複数の相手に対して用いる。なんじたち。
    1. [初出の実例]「佐渡より彼方(をち)の処を、奈牟多知(ナムタチ)疫の鬼の住処(すみか)と定めたまひ」(出典:延喜式(927)一六)

汝達の語誌

( 1 )「なむち」と「たち」の複合語で、古くはナムタチであったが、ムが中古に撥音化するとともにナンダチと濁るようになった。
( 2 )上代から用いられていたが、中古には主として漢文訓読資料に見られ、対等かそれより下の相手への対称として用いられている。
( 3 )中世以後も文章語として用いられ、「ロドリゲス日本大文典」では文書語として記載されている。

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