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対称 たいしょうsymmetry

翻訳|symmetry

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

対称
たいしょう
symmetry

幾何学的図形や物体の形が,一つの軸のまわりにある角度だけ回転したときに,もとの図形に一致することを回転対称,また一つの直線に関して折重ねたときに一致することを線対称 (左右対称はその一例) などという。数学的関数が変数の入替えや符号の変更を行なったときに不変ならば,その変換について対称であるという。形の対称性は美術や建築における重要な要素として用いられ,また自然科学分野においては分類や法則性の把握に利用されてきた。関数の対称性は数学はもとより,物理学などにおいても基本的重要さをもって取扱われてきた。結晶や分子の構造,粒子系のハミルトニアンや波動関数の対称性など多くの例があげられる。対称性を取扱う数学的手段としては群論が有効である。

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デジタル大辞泉の解説

たい‐しょう【対称】

ものとものとが互いに対応しながらつりあいを保っていること。「左右対称
二つの図形が、点・線・面などについて互いに向き合う位置関係にあること。それぞれ点対称線対称面対称とよぶ。シンメトリー
結晶面の間の規則正しい関係の一。結晶面のある面による鏡像、またはそれをある軸のまわりに回転させたものが、他の結晶面に一致する性質。
二人称

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百科事典マイペディアの解説

対称【たいしょう】

(1)二点A,Bにおいて,1.点Pが線分ABの中点であればA,BはP(対称中心という)に関し点対称,2.直線lが線分ABの垂直二等分線であればA,Bはl(対称軸)に関し線対称,3.平面πが線分ABの垂直二等分平面であればA,Bはπ(対称面)に関し面対称,であるといい,このような関係を一般に対称という。
→関連項目双晶相称対称要素

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世界大百科事典 第2版の解説

たいしょう【対称 symmetry】

平面上または空間内に定点Oがあるとき,平面上または空間内の各点Pに対し,線分POの延長上にPO=OP′となる点P′をとって,PをP′にうつす対応を考える。この対応をOを対称の中心とする対称変換と呼び,対応する2点P,P′をOに関する対称点と呼ぶ。また,この変換で図形Fが図形F′にうつるとき,FとF′はOに関して点対称であると呼び,とくにF=F′のときFをOに関して点対称な図形という(図a)。例えば,円や球はそれらの中心に関して,平行四辺形や平行六面体は対角線の交点に関して点対称な図形である。

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大辞林 第三版の解説

たいしょう【対称】

互いに対応してつりあうこと。相称。
〘文法〙 「 二人称 」に同じ。
〘数〙 〔symmetry〕
(点対称)二点 P 、 Q が点 O に関して対称とは、この二点を結ぶ線分 PQ が O によって二等分されること。すなわち、 P 、 Q は O を通る一つの直線上にあって、 O に関して反対側で、 O から等距離にあること。点 O を対称の中心という。
(線対称)二点 P 、 Q が直線 l に関して対称とは、線分 PQ が l によって垂直に二等分されること。 l を対称軸という。
(面対称)空間の二点 P 、 Q が平面 α に関して対称とは、線分 PQ が α によって垂直に二等分されること。 α を対称面という。
(対称な図形)二点 P 、 Q が点 O に関して対称な時、 Q を O に関する P の対称点といい、図形 F の点の、 O に関する対称点全体のつくる図形を、 O に関して F と対称な図形という。特に、図形 F の任意の点の、 O に関する対称点がまた F の点である時、図形 F は点 O に関し対称であるという。線対称、面対称についても同様の言い方をする。平面図形の場合には、点 O に関して対称とは、 O を中心として180度回転すれば重なることであり、直線 l に関して対称とは、 l を折り目として折り返した時、重なることである。
結晶で、ある直線上の一点、または一つの平面を隔てて回転・反射・逆転・回転反射などの操作を施しても、前と同じ面・頂点、稜などに一致すること。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

対称
たいしょう

一定点に関して2点の中点がその定点であるとき、その2点を定点に関して互いに点対称であるという。一定直線に関して2点の垂直二等分線がその定直線と一致するとき、その2点は定直線に関して互いに線対称であるという。また、一定平面に関して2点の垂直二等分面がその定平面と一致するとき、その2点は定平面に関して互いに面対称であるという(図A)。それぞれの場合、2点の一方を他の対称点という。[柴田敏男]

平面図形の対称

一つの平面図形を一定点の周りにα度回転してできる図形を、初めの図形にα度回転対称な図形といい、その定点を回転対称の中心という(図B)。180度回転対称な二つの図形はその中心に関して点対称であるという。一つの図形の一定直線に関する対称点をとってできる図形を、初めの図形に線対称な図形といい、その定直線を線対称の軸という。線対称な二つの図形の対応する2点の垂直二等分線は、線対称の軸と一致する。回転対称では図形の向き(対応点を順次回る向き)は変わらないが、線対称では図形の向きが逆になる。回転対称や線対称になるようにする操作を回転対称移動、線対称移動という。平面でこれらの移動を考えると、回転対称ではその中心は動かない。線対称ではその軸上の点はすべて不動である。平面で図形の大きさを変えない移動はすべていくつかの線対称移動の繰り返しで求められる。たとえば平行移動は、二つの平行線を軸とする線対称移動の繰り返しであり、回転対称移動は、その中心を通る二つの直線を軸とする線対称移動の繰り返しである。
 一つの平面図形がα度回転によって自分自身に重なるとき、その図形をα度回転対称な図形といい、回転の中心をその図形の回転対称の中心という。図Bにあるような寺院の記号は90度回転対称な図形である。一つの図形が線対称移動により自分自身に重なるとき、その図形を線対称な図形といい、線対称の軸をその図形の対称軸という。二等辺三角形は、底辺の垂直二等分線を軸とする線対称な図形である。正多角形は回転対称かつ線対称な図形である。[柴田敏男]

立体図形の対称

一つの立体図形を一定直線の周りにα度回転してできる図形を初めの図形にα度回転対称な図形といい、その定直線を回転対称の軸という(図C)。一つの図形の一定平面に関する対称点をとってできる図形を、初めの図形に面対称な図形といい、その定平面を対称面あるいは鏡映面という。面対称な二つの図形の対応する2点の垂直二等分面は対称面と一致する。空間においても回転対称や面対称の移動を考えることができる。また、一つの図形の一定点に関する対称点をとってできる図形を、初めの図形に点対称な図形といい、その中心を点対称の中心というが、これは、初めの図形に三つの面対称移動を繰り返し施した結果になっている。[柴田敏男]

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