沖縄密約(読み)おきなわみつやく

共同通信ニュース用語解説 「沖縄密約」の解説

沖縄密約

日本政府は沖縄返還に際し米政府に巨額の財政的な裏負担をしていたとされ、毎日新聞記者だった西山太吉さんが1971年、米軍用地の原状回復費400万ドルを日本側が肩代わりするとの外務省機密公電のコピーを入手し、報道密約を示唆した。94年に米国立公文書館で密約を示す文書公開が始まり、その後、返還交渉を担当した吉野文六元外務省アメリカ局長が密約を認める立場に転じた。

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世界大百科事典(旧版)内の沖縄密約の言及

【日米繊維交渉】より

…この問題は1968年のアメリカ共和党の大統領候補ニクソンの選挙公約に端を発し,69年春,ニクソン新政権下に出された日本に対する厳しい自主規制要求に始まる。それに対し,佐藤栄作首相が〈核抜き沖縄返還〉の交換条件として,アメリカ側の要求に沿った解決を〈密約(沖縄密約)〉,これが日本政府内の意見調整を困難にし,さらに交渉経路の混乱や分散が日米間に不必要な誤解をもたらすこととなる。70年3月にケンドール案のような妥協案がアメリカ側から出され,6月に宮沢喜一通産相とスタンズ商務長官の直接会談がもたれ,10月には佐藤首相がニクソン大統領と2度目の会談をして問題解決を再び約束するが,結局その後の政府間交渉は暗礁に乗り上げてしまった。…

※「沖縄密約」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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