河津郷(読み)かわつごう

日本歴史地名大系 「河津郷」の解説

河津郷
かわつごう

古代の鵜足うた川津かわつ(和名抄)の郷名を継ぎ、現川津町を遺称地とする。天平勝宝四年(七五二)川津郷奈良東大寺の封戸五〇戸が置かれたが(同年一〇月二五日「造東大寺司牒」東大寺文書)、康治元年(一一四二)一二月に東大寺から讃岐国に対して、康治元年料一五〇戸の封米七三二石余の返抄(同文書)が出されているから、一二世紀半ばにはまだ当郷封戸からの上納が続いていたものとみえる。しかし仁安三年(一一六八)には、封戸の代りとして三木みきはら(現木田郡牟礼町)那珂なか金倉かなくら(現丸亀市)が便補保とされているから、弘安八年(一二八五)八月の東大寺注進案(同文書)に「讃岐国御封百五十戸内鵜足郡川津郷五十戸」とあるのは当郷の実態を示したものではなく、かつての封戸の存在の報告にすぎないと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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