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返抄 へんしょう

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

返抄
へんしょう

平安時代の金銭,年貢,物資の領収証鎌倉時代以降,請取状とか所納状と称し,返抄という場合はほとんど貢租受領証のみに用いる。料紙は,普通きわめて小さな切紙か,細長く切った杉原紙。

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デジタル大辞泉の解説

へん‐しょう〔‐セウ〕【返抄】

奈良・平安時代、官司に文書や物資・金銭を提出または納入したときに交付される受取状。

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世界大百科事典 第2版の解説

へんしょう【返抄】

古代・中世における年貢・公事等の受取状のこと。平安時代に,東大寺,東寺のような寺院において,所定の郡郷から送進されてきた物資を担当機関が検納し,領収したことを知らせるため,送り主の郡郷へ返した文書。たとえば東大寺大仏供白米の例では,国衙が白米供給の郡郷を指定し,郡郷がさらに割り当てた所進者から当年分の白米が送進されると,所進の郡郷にたいして返抄が返された。その形式は東大寺白米納所が所進郡郷にあて,収納にあたる東大寺三綱が署名した下文の形であり,その料紙はふつう切紙(きりがみ)であった。

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大辞林 第三版の解説

へんしょう【返抄】

中古・中世、納税や貢調に対する受取書。受取状。
証拠となる文書。保証書。 「この十首の歌にこそ-もたびぬべく覚ゆれ/無名抄」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

返抄
へんしょう

古文書の一様式で、平安時代以降に、文書・年貢・金銭などの受取の証拠として作成された文書。当初は公文書の受領証としても使われていたが、のちには荘園(しょうえん)・公領から送られる貢租の受取状のみをさすようになった。中世以降には請取状、所納(しょのう)状と称されるようになる。受領報告を目的とするために一時的な効力があればよく、杉原紙(すぎはらがみ)を細長く切るか小さな切紙を使って作成されることが多い。[長塚 孝]

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世界大百科事典内の返抄の言及

【請取状】より

…受領の事実とそれにともなって発生した諸義務の順守を確言する意味があり,文書様式上は請文から分化したものといえる。この点で返抄(律令制において官司の発給する行政的領収証を本来の形とした)とは区別される。ただし,返抄が中世的な年貢公事の収納証として,請取状と紛らわしい〈所納如件〉などという文言・形式をとる場合も多く,この区別はあいまいになっていく。…

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