日本歴史地名大系 「河野家譜」の解説
河野家譜(築山本)
こうのかふ
一巻
別称 改正築山之事河野家之譜 河野通許著
成立 慶長―元和年間
分類 家譜
写本 広島県築山家
解説 伊予豪族河野氏の盛衰を歴代の統率者ごとに事績を中心として記した家譜である。天正一三年、河野氏政権の崩壊後、河野通昭(左京大夫通宣の庶子)の子通許が母方の姓築山氏を称し、河野氏伝来の古文書、旧家臣の襲蔵した記録類を基礎として著述した。内容は、河野通義の逝去(応永元年)までの前半部を主として「予章記」によって記述し、通之以後の後半部を新たに編集したものである。「予陽河野家譜」に比較すると、叙述が素朴・簡潔であって、かつ南朝関係文書をはじめとして、多数の古文書を挿入している。そのなかには作為されたものもあるが、類書にみられない重要な史料も存在している点に留意すべきであろう。
活字本 景浦勉編「河野家譜」築山本
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報