普及版 字通 「沾」の読み・字形・画数・意味


8画

[字音] セン・テン
[字訓] うるおう・ぬれる・そえる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は占(せん)。占に・點(点)(てん)の声があり、その声では小さなある部分をいうことが多い。〔説文〕十一上に「すなり」とし、〔段注〕に(添)と同義にしてをその後起の字とするが、多くは沾濡の意に用いる。〔広雅、釈詁一〕に「すなり」とあり、れて次第に他を沾濡する意である。

[訓義]
1. うるおう。
2. あふれる、あふれてこぼれぬらす、ぬれる。
3. 添と通じ、そえる、ます、くわえる。

[古辞書の訓]
名義抄〕沾 ウルフ・ウルホス・キヨシ・ヌラス 〔立〕沾 ヲサム・キヨシ・ウルホス・シタツ・ウルフ・ケガス・アツカル

[声系]
〔説文〕に沾声として霑など三字を収める。霑は雨によって沾濡することをいう字である。

[語系]
沾・霑tiam、tziamは声義近く、(せん)は〔説文〕十一上に「漬(ひた)すなり」と訓する。また(浸)・tzim、漸dziamもみな濡れる意があり、じわじわとしみこむような状態をいう。

[熟語]
沾渥沾衣・沾・沾臆沾恩・沾沾襟沾巾沾衿沾灑沾漬沾識・沾濡沾湿・沾潤・沾賞沾辱沾酔沾錫沾沾沾染沾漸・沾背沾補沾袍沾賚

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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