山川 世界史小辞典 改訂新版 「洞窟壁画」の解説
洞窟壁画(どうくつへきが)
古くは旧石器時代後期の石灰岩洞窟があり,洞窟の奥部は暗く呪術的信仰の聖所であったために,壁面を利用して野牛,馬,鹿,ヤギ,ライオン,洞熊(ほらぐま)などの動物が写実的に描かれた。スペインの北部,カンタブリア地方のアルタミラ,フランス西南部のラスコーなどが有名で,フランコ・カンタブリア芸術の大きな部分を占めている。他にニオー,フォン・ド・ゴーム,トロワ・フレール,コンバレルなどフランス側とスペインで多くの例が知られる。さらに洞窟絵画に関係ある岩壁絵画は東スペインから北アフリカにも分布し,カプサ美術(カプサ文化)の名で知られる。赤,黒,褐,黄などの多彩画で,狩猟,舞踊,闘争などを描いている。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報