津呂(読み)つろ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「津呂」の意味・わかりやすい解説

津呂
つろ

高知県南東部、室戸(むろと)市の一地区。旧津呂町。室戸岬の北西部にある。『土佐日記』にみえる室津はこの地ともいわれる。津呂湊(みなと)は江戸期初頭に開削された掘込み港で、明治以後カツオ、マグロ漁港となり、現在も室戸岬漁港として遠洋マグロ漁業の基地となっている。国道55号が通じる。

[正木久仁]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の津呂の言及

【室戸[市]】より

…岩礁の多い室戸岬沖は古来航海の難所として知られ,南東沖合には好漁場がある。岬の西側の室津や津呂(現,室戸岬港)は古くからの風待港・避難港で,935年(承平5)国司の任を終えて帰京する紀貫之の船は,日和を待って室津に停泊している(《土佐日記》)。いずれも江戸時代に整備されて,港として発展した。…

※「津呂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android