海老茶(読み)えびちゃ

色名がわかる辞典 「海老茶」の解説

えびちゃ【海老茶】

色名の一つ。葡萄茶とも書く。JISの色彩規格では「暗いみの」としている。一般に、みがかった赤茶色のこと。古くからあった赤紫に近い葡萄えびは、ヤマブドウの古名であるエビカズラをさした色名であった。しかし近世になって音の「エビ」が魚介類の「エビ」を示す意味に変化し、イセエビの殻に似た色のこととなり、海老茶という色名が生まれた。早稲田大学のスクールカラーとして広く知られる。1905年(明治38)、野球部が米国スタンフォード大学と試合をするため渡米したとき、コーチの母校シカゴ大学の校色にならって、海老茶色のユニフォームを新調したのが始まりとされる。また、明治時代に女子学生用の袴はかまをつくったとき、高貴な色であったをさけ、海老茶を用いることが流行した。そのため当時の女子学生は紫式部のシャレで海老茶式部とも呼ばれた。

出典 講談社色名がわかる辞典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android