海賦模様(読み)かいふもよう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「海賦模様」の意味・わかりやすい解説

海賦模様
かいふもよう

海部とも書き、荒波に怪魚、あるいは海辺に海松貝(みるがい)、鳥、松などを組み合わせた模様をいう。元来この模様は中国伝来のものらしく、『源氏物語』で唐様(からよう)の一つにあげている「荒海の怒れる魚のすがた」、また『枕草子(まくらのそうし)』に書かれている「荒海障子」などは海賦模様を思い起こさせる。また『大鏡』にも、「六宮の絶入給へりし御誦経(じゅきょう)にせられたりし御硯(すずり)の箱見給(たま)ふべきかいふに蓬莱山(ほうらいさん)手長足長などこがねしてまかせ給へり」とあるから、平安時代にはかなり流行したと考えられる。その後も鎌倉・室町時代を通じ、調度蒔絵(まきえ)、衣装の刺しゅう、描絵(墨絵の模様)などに愛用された。今日残っている作例として教王護国寺蔵「海賦蒔絵袈裟(けさ)箱」があげられる。

村元雄]

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