浸炭窒化法(読み)しんたんちっかほう(その他表記)carbonitriding; gas-cyaniding

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「浸炭窒化法」の意味・わかりやすい解説

浸炭窒化法
しんたんちっかほう
carbonitriding; gas-cyaniding

鋼材浸炭窒化を同時に行う表面硬化法。ガス法と液体法があり,英語のガスサイアナイディングは前者だけである。適用は浸炭だけの場合よりやや広く,低炭素から炭素 0.45%の中炭素の炭素鋼低合金鋼まで行われる。ガス法はメタン CH4 10,キャリアガス ( CO 20%,H2 40%,N2 40%) 50~80,無水アンモニアガス NH3 10~40の比の混合気中で鋼製品を 650~850℃に加熱する。 780℃を境として,以下では NH3 量比を増して窒化が多くなり,以上では NH3 ガス比を減じ,浸炭が多くなる。高温処理のものは油中に急冷する。処理時間は浸炭だけの場合より短くてすむ。液体法は 750~900℃に保った青酸ソーダ熱浴 (組成例: NaCN 50,Na2CO3 25,NaCl 25) に鋼製品を数十分程度浸漬後,水冷または油冷する。小物に 0.2mm程度の薄い硬化層をつくるのに適する。いずれの方法もピニオン歯車など小物機械部品に広く用いられる。処理表面ビッカース硬さ Hv 800程度である。

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