乾式紡糸(読み)かんしきぼうし

精選版 日本国語大辞典 「乾式紡糸」の意味・読み・例文・類語

かんしき‐ぼうし‥バウシ【乾式紡糸】

  1. 〘 名詞 〙 化繊紡糸法の一種。酢酸繊維またはポリ塩化ビニールの紡糸では紡糸液を口金から熱気中に圧出し、アセトンなどの溶剤を蒸発させて繊維とする。

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化学辞典 第2版 「乾式紡糸」の解説

乾式紡糸
カンシキボウシ
dry spinning

溶液紡糸の一つ.適当な溶媒に溶解した繊維形成高分子材料を紡糸口金から射出し,溶媒を蒸発させ,凝固した繊維を得る紡糸方法アセテート紡糸に通常用いられ,その他アクリル系,ポリ(ビニルアルコール)系,ポリ(塩化ビニル)系などにも用いられる.紡糸速度はかなり速く,数百 m min-1 である.糸の断面は亜鈴形や,まゆ形になることが多い.乾式紡糸では溶剤の回収効率がきわめて重要となる.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「乾式紡糸」の意味・わかりやすい解説

乾式紡糸
かんしきぼうし
dry spinning

化学繊維の紡糸法の一形式。合成高分子物質を適当な溶剤に溶かし,これを紡糸口金 (ノズル) から噴出させ,熱風により溶剤を気化して繊維状にする方法。この紡糸方法は巻取り速度がきわめて速く,紡糸条件が広く,溶剤の回収が簡単などの利点がある。アセテートなどの紡糸に適用されている。

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改訂新版 世界大百科事典 「乾式紡糸」の意味・わかりやすい解説

乾式紡糸 (かんしきぼうし)

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世界大百科事典(旧版)内の乾式紡糸の言及

【ビニヨン】より

…フィラメントからアセトンが蒸発することにより,固化して繊維となる。この紡糸法はセルロースアセテートのそれと似ており,乾式紡糸法と呼ばれる。引張強さは3.4gf/デニール,切断伸度は18%である。…

【紡糸】より

…綿,羊毛,麻などの短い繊維を平行に並べて撚り(より)をかけて糸を作ることは紡績という。紡糸法には,溶融紡糸melt spinning,湿式紡糸wet spinningおよび乾式紡糸dry spinningがある。ここでは湿式紡糸と乾式紡糸について述べるが,合成高分子に多用される溶融紡糸については,その項目を参照されたい。…

※「乾式紡糸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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