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液晶 えきしょう

9件 の用語解説(液晶の意味・用語解説を検索)

ASCII.jpデジタル用語辞典の解説

液晶

液体と固体の両方の性質を持つ物質。電圧をかけると分子の向きが変化し、液晶を透かす光の波長が変化する。液晶ディスプレイでは、この性質を利用して画像や文字などを表示する。

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知恵蔵の解説

液晶

結晶のような配列の秩序を持ちつつ、液体の流動性を持つ物質。棒状の液晶分子は長軸方向に規則性を持って並んでおり、配向膜(微細な溝を持つ膜)に接触させると、分子は溝に沿って並ぶ。光は液晶分子の並びに沿って進み、電圧をかけると液晶分子は直立する。これらの性質を利用し、配向膜の角度を変える、偏光フィルム(一方向の波しか通過できない膜)で分子の並びを変える、電圧をかけるなどで、画面の色や光の強弱を変化させる。ディスプレーに使われている液晶自体は光らないので、光源が必要。反射光を利用するものとバックライトを利用するものの2種類がある。カラーフィルターを用いると表示色は数十万色を超え、薄型ディスプレーとして広く使用されている。

(市村禎二郎 東京工業大学教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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デジタル大辞泉の解説

えき‐しょう〔‐シヤウ〕【液晶】

液体結晶との中間状態にある物質。液体の流動性と結晶の規則性とをあわせもち、光学的異方性を示す。透明な電極で挟んで、時計・パソコンテレビ携帯電話などの画面表示に用いる。液状結晶

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百科事典マイペディアの解説

液晶【えきしょう】

一定の温度域内で,分子の配列がある方向については規則的であるが,他の方向については不規則な液体。異方性液体ともいい,流動性をもつ点では液体に,複屈折を示すなど光学的な点では結晶に似ている。
→関連項目強誘電性液晶デジタルクロック電卓ページプリンター

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とっさの日本語便利帳の解説

液晶

液体と固体の両方の性質を持つ材質。熱や電圧を加えると結晶の配列が変わり、光の透過、反射、散乱の状態が変わる。この原理を映像形成に応用した液晶テレビ大人気で、四〇型という超大型液晶テレビも出現した。

出典|(株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」
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世界大百科事典 第2版の解説

えきしょう【液晶 liquid crystal】

一般に物質の存在のしかたとして,固体,液体および気体の3相があることはよく知られているが,液晶はこの固体(結晶)と液体の中間的な相ということができる。すなわち通常,液体の特徴は流動性を示し,それを構成している分子は無秩序に並んでいて,その属性としての物理的性質はすべての方向で同じ(等方的)である。また,固体(結晶)を構成する原子や分子の配列には規則性があり,結晶体が単結晶ならば方向によって物理的性質が異なる(異方性)。

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大辞林 第三版の解説

えきしょう【液晶】

固体と液体との中間的な状態である物質。全体が液体のような流動性を示しながら、なお結晶に似た構造上の規則性をもち、光学的に異方性を示す。電磁力・圧力・温度などに敏感に応答するので、広く表示装置などに応用される。

出典|三省堂
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

液晶
えきしょう
liquid crystal

分子の占める位置および分子軸の方向が固体結晶にみられるような完全な規則性をもつ状態と,通常の等方性液体にみられる不規則な状態との中間状態を示す物質をいう。物質のこうした相を液晶相または中間相という。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

液晶
えきしょう
liquid crystal

液体としての流動性を示すと同時に、物理的性質(とくに光学的、電気的)は結晶と同じく異方性を示す状態にある物質。異方性液体ともいい、固体から液体、または液体から固体になる中間においてこの状態を示す。[吉田俊久]

歴史

1888年、オーストリアの植物学者レーニッツァーFriedrich Reinitzer(1857―1927)が、安息香酸コレステリルを熱すると145.5℃で溶けて濁った液体になり、さらに温度を上げると、178.5℃で透明な液体になることを発見した。1889年にドイツの物理学者レーマンOtto Lehmann(1855―1922)は、この濁った液体を偏光顕微鏡で観察して複屈折する性質(光学的異方性)などがあることを確認し、この状態を液晶と名づけた。液晶研究に化学の面から寄与したのはドイツのホルランダーDaniel Vorlnder(1867―1941)で、多数の液晶物質を合成した。1920年ごろまでには約250種以上が知られるようになっていた。現象論の面で、今日、明らかになっている多くの成果は1930年ごろまでには蓄積されていたが、理論、応用面での発展がなく、液晶研究も下火になっていった。
 1950年、イギリスのエリオットA. ElliotとアンブローズE. J. Ambroseは、合成ポリペプチドの濃厚溶液が自発的な配向(線状あるいは板状構造をもつ液晶分子がある特定の方向に優先的に配列して結晶的構造を形成すること)構造をもつこと、すなわち液晶になることを報告し、液晶が生体の組織、機能の関連において注目され始めた。1963年にアメリカ、ウェスティングハウス社のファーガソンJames L. Fergason(1934― )が液晶を用いたサーモグラフィ(物体表面の温度を色の変化で測定する方法)を考案し、さらに1968年にアメリカ、RCA社のヘイルマイヤーGeorge H. Heilmeier(1936― )は、電場の中で液晶が白濁するのを発見し、種々の表示装置(ディスプレー)、壁掛けテレビなどに応用する研究もふたたび盛んになってきた。2000年時点で、液晶物質としては1万種以上のものが知られている。[吉田俊久]

分類

液晶は線状か板状の分子構造をもつ物質においてみられ、分子の配向の仕方によって分類される。1922年フランスのフリーデルGeorges Friedel(1865―1933)は、光学的観察に基づく液晶構造について、スメクチック、ネマチック、コレステリック状態の三つのタイプに分類した。スメクチック状態とは、細長い棒状の分子がその長軸をすべて平行に配列して板状になり、この板が長軸の方向に幾重にも重なり合って層状となったものである。スメクチックsmecticの名称はギリシア語で「せっけん状」を意味するsmectosに由来し、このタイプの液晶がせっけんの濃厚水溶液に特有な偏光顕微鏡像を共通に示すことによっている(オレイン酸アンモニウムなど)。ネマチック状態は、細長い棒状の分子が長軸を一定の方向にして不規則に配列した状態で、整然とした層状にはなっていない。したがって、X線回折によってもぼやけた像を示すにすぎない。ネマチックnematicは「糸状」という意味のギリシア語nematosからつくられた(p(パラ)-アゾキシアニソールなど)。さらにコレステリック状態は、スメクチック状態と同様に層状構造をもつが、各層における分子の配列はネマチック状態に似ている。各分子層はきわめて薄く、層内での分子の配列は長軸方向で、層の面は平行である。しかも各層内の分子の長軸方向は隣接する層の分子のそれとわずかにずれて、全体として螺旋(らせん)構造をとっている。コレステロール誘導体に多くみられるのでこの名がついているが(たとえば安息香酸コレステリルなど)、コレステロール自身には液晶性はない。
 液晶の生成条件によっても分類できる。純粋物質の加熱融解、すなわち熱によって生ずるものをサーモトロピック液晶thermotropic liquid crystalとよび、ある有機物質に溶媒を加えて溶質の濃度を変えることによりできるものを、溶媒のギリシア語lyoにちなんでリオトロピック液晶lyotropic liquid crystalとよんでいる。安息香酸コレステリルなどは前者の例であり、せっけん類の濃厚水溶液は後者の代表例である。[吉田俊久]

分子の構造

どのような分子構造をもつ物質が液晶になりうるか、一般には次のように考えられている。
 まず、分子の幾何学的な形状が細長い棒状または平板状であること。次に、分子の平行配列を保持するため、適当な大きさの分子間力をもつことが必要である。したがって永久双極子をもつ官能基や分極されやすい結合などを分子内にもつ細長い分子が望ましいといえる。具体例として、トランスp-n-アルコキシケイ皮酸を考える。トランスそしてパラ体であるから直線状に近く、カルボキシ基(カルボキシル基)-COOHの部分で水素結合し、二量体(二つの分子が会合して、あたかも一つの分子としてふるまうもの)化してさらに直線性が増す。しかも分子内に、ベンゼン環や、双極子をもつアルコキシ基RO-、分極しやすいカルボニル基=Oや炭素‐炭素二重結合があるから、適度の分子間力をもつことになる。他方、異性体としてのシス体は直線状でないから液晶にはなりえない。[吉田俊久]

液晶の観察、その性質と応用

液晶の生成を実験的に確認するには偏光顕微鏡で観察するとよい。試料をスライドとカバーガラスに挟んで薄層にして、等方性液体にまで加熱したあと冷却しながら観察する。直交ニコル(ある平面偏光のみを通すニコル・プリズム2個を偏光面に対して垂直に並べたもの)の間で初め暗黒だった視野に、やがて液晶の生成と同時に、光った粒子や模様が現れる。これは三つの液晶状態を特徴づける組織(texture)という模様である。液晶は基礎研究の成果が比較的容易に応用に結び付く。ここでは、圧倒的に応用の多い「液晶ディスプレー」については別項に取り上げてあるので省略する。
 スメクチック系では、前述の濃厚なせっけん水溶液特有の模様である。ガラス板間の薄層の観察から、ガラス面に対しては面内の二次元方向には液体であるが、これと垂直な一次元方向には運動性がないこともわかる。外見をみてもグリース状で粘着性の強い濁った流体である。電場を加えたときに粘度が変化するが、その変化が数十倍から数百倍と大きく応答性がよいことから、減衰器としてブレーキ、クラッチなどに使われる。また、潤滑剤として外部場(光、電場、熱、圧力など)による特性の変化を用いた摩擦の制御への利用も注目されている。
 ネマチック系では糸状の模様であり、毛管中でメニスカス(毛管内の液体が気相に対して曲面になることをいう)をつくるほど流動性のある濁った流体である。ネマチック液晶のもっとも大きな特徴は、磁場、電場、表面力あるいは機械力の影響で、異方性の分子集団が不規則に配列し、屈折率に揺らぎがおこり白濁を生ずる傾向があることである。当然、影響力が消えると透明になる。これは思いのままに透明ガラス、曇りガラスとして利用できる窓ガラスなどへの応用が実現している。
 コレステリック液晶はスメクチック液晶に似た組織を示す。具体例として、コレステリック系の安息香酸エステルの融解液を冷却する。固化直前に独特の美しい虹(にじ)色の輝きがみられる。まず鮮やかなエメラルドグリーンに輝きだし、ついで青緑、濃紺、黄緑、黄、橙赤(とうせき)と移って、さらには真っ赤になり、やがて冷却固化して無色になる。これは、コレステリック液晶が光学活性物質であり、大きな旋光性をもち、特定波長領域で円偏光反射をおこすからである。これらの薄層の干渉色は、温度、機械的なずれ、電場、有機蒸気の吸着などで鋭敏に変化する。このうち温度効果が温度計そしてサーモグラフィなどに応用されている。
 これらの液晶はいずれも加熱あるいは冷却という温度変化により得られるもので、サーモトロピック液晶とよばれる。一方、ある種の物質では溶質の濃度の変化によって、液晶状態を生成させることができる。それをリオトロピック液晶という。
 リオトロピック液晶では濃度‐粘度の関係を測定すると、液晶の生成が確認できる。液晶の生成し始める濃度を境に、濃度が増せば粘度が低下する特有の現象がみられるからである。このときの急激な粘度の低下を利用して高分子の液晶を紡糸すると、分子の配向のよい強靭(きょうじん)な繊維が得られる。すなわち高分子液晶の紡糸である。これらの繊維にはナイロン、アラミド繊維(デュポン社の「ケブラー」など)よりも数十倍も強いものがあり、炭素繊維やスチール繊維より強度で凌駕(りょうが)するPBO繊維(東洋紡績とダウ・ケミカル共同開発の、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールを液晶紡糸した繊維。商標名「ザイロン」)なども実用化されている。
 液晶の熱的性質のほかに、ガス吸収によるコレステリック液晶の色の変化、光起電力なども検知器に利用されている。圧力、電気、放射線、紫外線、赤外線などに応答するセンサーもある。液晶による温度測定は温度計以外に、主として構造物、電子部品などの非破壊的検査に応用されている。生体における温度測定、たとえば腫瘍(しゅよう)や癌(がん)の部位を知るためにも利用されている。コレステリック液晶の示す色がごく微量の化学物質の吸着によって敏感に変化する性質は、ガス検知器などに利用されている。また、光学素子としてファイバー通信用光スイッチなどにも応用できるとの報告もある。液晶は応答速度が遅いという難点があるにもかかわらず、低電圧駆動、低消費電力という利点に大きな特徴をもっている。
 電場あるいは磁場による液晶分子の配向性を利用した分光学的研究や、化学反応への異方性溶媒としての液晶の利用もある。分析化学面では、おもに分子の形の違いを分離要因とする液晶固定相のガスクロマトグラフィー、超臨界流体クロマトグラフィーや高速液体クロマトグラフィーがある。さらに極微量の光学活性化合物をネマチック液晶に加えて誘起させる円二色性スペクトルにより液晶構造の絶対配置の決定ができる。当然、核磁気共鳴(NMR)、電子そして赤外スペクトル測定用の配向性溶媒としても、分子構造の決定に有力な情報を提供してくれる。一方、化学反応で、液晶を異方性溶媒としてその配向性を溶質分子に反映させて化学反応を行うことも、数多く検討されている。[吉田俊久]
『立花太郎ほか著『液晶』(1972・共立出版) ▽松本正一・角田市良著『液晶の最新技術』(1983・工業調査会) ▽艸林成和編『液晶材料』(1991・講談社) ▽日本化学会編『液晶の化学』(1994・学会出版センター) ▽S・チャンドラセカール著、木村初男・山下護訳『液晶の物理学』(1995・吉岡書店) ▽那野比古著『わかりやすい液晶のはなし』(1998・日本実業出版社) ▽液晶便覧編集委員会編『液晶便覧』(2000・丸善) ▽苗村省平著『液晶がわかる本――Q&Aファイル101』(2001・工業調査会)』

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