湿式紡糸
シッシキボウシ
wet spinning
溶液紡糸の一つ.適当な溶媒に溶解した繊維形成高分子材料を紡糸口金から凝固浴中に紡出し,脱溶媒和により,繊維形態を凝固形成させる紡糸方法である.ビスコース,キュプラでは,凝固とともにセルロースを再生する化学反応も起こる.繊維形成時に表面と内部で形成速度に差があるために,スキン,コアの二重構造をもつことが多い.この両者の割合は,凝固条件により変化させることができる.ビニロン,アクリル繊維の紡糸にも主として湿式紡糸が用いられる.凝固に時間がかかるため,紡糸速度は遅く100 m min-1 程度であるが,口数の多い口金を用いて多数本のフィラメントを同時に紡糸できる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
湿式紡糸
しっしきぼうし
wet spinning
化学繊維の紡糸法の一形式。原液を紡糸口金 (ノズル) から凝固浴の中に押出して,その中で固めて糸の形状とする。ビスコース繊維,キュプラ,ビニロン,アクリル繊維などの製造に用いられている。遠心式,ボビン式,連続式がある。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
世界大百科事典内の湿式紡糸の言及
【紡糸】より
…綿,羊毛,麻などの短い繊維を平行に並べて撚り(より)をかけて糸を作ることは紡績という。紡糸法には,溶融紡糸melt spinning,湿式紡糸wet spinningおよび乾式紡糸dry spinningがある。ここでは湿式紡糸と乾式紡糸について述べるが,合成高分子に多用される溶融紡糸については,その項目を参照されたい。…
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